「何がどうしようだって?」
突然聞こえた声に驚いて、思わず声の先を見た。
そこには会いたくて、会いたくなくて、でも会いたくて・・・あたしを今一番悩ませるひとだった。
「なんで・・・いる、の・・・」
「なんでってなぁ・・・、俺はなぁ・・・」
そう言いかけて、隼人は言葉を途切れさせた。
「・・・俺は?」
「なんでもない・・・。」
あたしはその続きが気になって促してみたけれど、隼人に話す気は無いらしく、誤魔化された。
「なによ、それ。」
「もういいじゃん、そんなの。・・・あ、竜たちに連絡しねぇと。」
そういうと隼人は携帯をいじり、電話をかけた。
「あ、竜?俺だけど・・・うん、見つかった。・・・え?あー・・・そうそう、その公園にいるから。・・・おー、待ってるわ。」
「竜くん?来るの?」
「あぁ。」
そう言いながら、どこか隼人は不機嫌な感じがした。
・・・なんでだろう。

「久しぶり、。」
久々に見た竜くんがやってきて開口一番こう言った。
ひゃあ・・・竜くんかっこよくなったなぁ・・・。
「あ、久しぶり、竜くん。元気だった?」
「あぁ。も元気そうだな。」
そう言いながら、竜くんはあたしの頭を撫でた。
その仕草が懐かしくて、心地良かった。
「うん、おかげ様で元気だよ。」
「・・・ちゃんっ!」
「へっ!?」
竜くんが来た違う方向から、新たな声がした。
そして、その声の主はあたしの方向へ走って向かってきた。
「うわぁ、久しぶりだよね!覚えてる?俺のこと!!」
すごく元気で可愛い男の子・・・あ、、
「け、啓太くんっ!?」
「ぴんぽーんっ!!啓太くんでしたー!」
にっこりと笑い、啓太くんはあたしを抱きしめた。
「ふぇっ!ちょ、ちょっと、け、啓太くんっ!?」
啓太くんが子どもの頃みたいに抱きしめるから、吃驚してしまった。
もうあの頃とは違うんだよーっ!?もう啓太くんだって、昔よりかっこよくなったし・・・
そう思っていると、啓太くんが笑顔でこう言った。
「あ、ごめんね。・・・それにしてもちゃん、本当に可愛くなったね!」
・・・は・・・?聞き違いですかね、あたしが・・・可愛いって・・・どういう・・・
「タケ!!」
「なんだよ、隼人。いいじゃん、本当のことなんだから。ね、竜?」
そう言われた竜くんはあたしをちらりと見た。
「・・・あぁ・・・。」
なんか、竜くん今ちょっとめんどくさそうに頷いたよね。
思ってないんだったら、頷かなくてもいいのに・・・。
まぁ、隼人と啓太くんの間に挟まれてると、それが一番竜くんにとって平和な方法なのかもしれない。
「帰るぞ。」
「へっ・・・?」
「ほら、行くぞ。」
そう言うと、隼人はあたしの手を握った。
確かに、あたしと隼人は兄妹だ。
・・・でも、それは義理の兄妹で、一緒に育った、というだけだ。
例え隼人が何とも思って無くても、あたしは隼人のことがずっと好きで。
そんな状態の今のあたしに手を繋ぐということは、どきどきが止まらなくて、嬉しくて。
期待なんてしちゃいけないことくらい分かってるのに、たまらなく期待したくなる。
だめだ、隼人にとってあたしはただの妹なのに・・・。


・・・け、啓太くんっ!?
思わずそう言ってしまいたくなるのは、やっぱりタケちゃんがいきなり抱きついちゃってくれるからでしょう。
でも、タケちゃんならいきなり抱きついても許されそうな気がします。

それにしても、隼人さんっ!?手とか握っちゃったりとかしてっ。わぁ。(061225)